あの島に移り住むまで

〜「好きな本から」を書きたくてはじめたけどいろいろ書いちゃってるブログです〜

他人からしてみればそれくらいのこと

 

出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと (河出文庫)

いや、こっちはすごいことを言ってるんだよ、今。そんな軽い感じじゃなくてさ、ヴィレッジは私の人生なんだ、他の人が2〜3年働いたテキトーな会社を辞めたいって言ってる話とはワケが違うんだよ、と思ったけど、いや、他人からしてみればそれくらいのことなのに、なんで私はこんなにしがみついているんだろう、と思った。 

 


 

世界は、“そういうこと”で溢れていると、私は思う。

 

悩んで悩んで導き出した結論だったのに、

「そうなんだ!」の一言で、片付いてしまうこと。

「........え!!ああ、それだけ!?」みたいな。

(あれ、思ってた反応とちがうなあ....)みたいな。

こっちが拍子抜けしてしまうような反応が返ってくること。

 

そうして気がつく。

 

「ああ、そうか!第三者からしてみれば『たったそれくらい』と思うようなことに、私はずっと悩んでいたんだ」って。

 

人の悩みなんて、本当は、“それくらい”のもの、なのかもしれない。そう思う。

 


 

ちなみに、冒頭の文章は、本の著者「菜々子さん」が仕事を辞めようと思ってることを同僚に話したとき、「そっかあ!じゃあ次は何するの?」と簡単に言われてしまったことで出てきた言葉。

 

 いや、2〜3年働いたテキトーな会社を辞めたいって言ってる話とはワケが違うんだよ!!と「菜々子さん」は思う。だけど、その後、すぐにこうも思う。ああ、他人からしてみればそれもそのくらいのことなんだ、って。どれほど思い入れがあったって、どれほど頑張って働いてきたって、どれほどの10年であったって、他人からしてみれば「あ!そうなんですかあ!」程度のことなんだって。なんでこんなにしがみついてたんだろうって。

 

お店を辞めること、これまでの仕事を辞めることは、そんなに簡単な話じゃない。

 

思い入れがあって、これまでがあって、ここまでやってきたのなら尚更。

 

だけど、考えてみれば難しい話じゃない。

 

「次、何するんですかあ?」くらいのことであったっていい。

 

なかなか手を放せずにいたのに、“それくらい”のことだったんだって思えた瞬間決まった。

 

「そうだ、私、『次何しよっかなあ?』の人になりたかったんだ」って。

 


 

あ、そっかあ。それでいいんかあ!!

 

そう思えることで見える世界が変わることってよくある。

3年もの「過食」を抜け出せるようになったきっかけも「あ、そっかあ。これでもいいんかあ」って思えたことだった。

 

私はずっと、自分の「体型」が嫌いだった(今も好きではないけれど)。

体型に対して執着があるのか、食べることに対して執着があるのか、そのどちらもか。とにかくずっと自分の体型を好きにはなれなかった。痩せても太っても自分の体型(身体)を好きになれた日なんてない。 

 

今はもうこだわることも随分と減ったけど、一番悩んでいたのは、ハタチの成人式あたりから23歳になるくらいまで。私にとってとにかく重たい問題だった。どんどん太っていく。原因は「過食」。かわいい過食なんかではなく、ただ慰めるためだけにある過食はどう思い出しても辛い。傷ついてる自分を慰めるために食べて、食べたことにまた傷ついて、癒すためにまた食べる。最悪の無限ループ。抜け出すまでに3年かかった。

 

決して軽くはない大きすぎる問題。だけどそれも、“私にとっては”なのだとわかった瞬間があった。

 

なっちゃん、体型のこと気にしてるんですか?別に気にせんでいいのに」

 

そう言ってくれた人がいた。ただそれだけ。

 

それも直接言われたのではなく、間接的に聞いた話。あの子が心配してたよって。どうしたらいいのか分からなくて泣き腫らしている私に唯一その状態を知っていた人が知らせてくれた。

 

ああ、そうかあ。気にしない生き方もあるのかあ。

ああ、そうかあ。「気にしなくていいのに」、そう考えてくれる人もいるのかあ。

 

なっちゃん、体型のこと気にしてるんですか?」

 

一番言われたくない言葉だったのに。

 

「別に気にせんでいいのに」

 

私のいないところで。

 

私以外の人がこの重すぎる問題を、軽々と「気にせんでいいのに」、この言葉で片付けていく。

 

その状況を理解した得、気にしている自分が馬鹿みたいに思えた。その言葉を言われないために頑張っているのに。頑張って傷ついているのに。

 

まさに、

 

なんで私はこんなにしがみついているんだろう

 

と思った。

 

他人からしてみればそれくらいのことなのに、 

 

本当にそう。私の体型なんて誰も気にもしてもいない。私の悩みなんて、私が傷ついてることなんて、誰も気にしない、どうでもいいこと。もし誰かが私を馬鹿にしても、私の体型を笑っても、その誰も責任を取ってくれるわけでもない。自分のことは自分にしか責任は持てない。

 

 馬鹿みたいだなあと思った。こんなにしがみついて。

 

きっと世界は、“そういうこと”で溢れている。

 

「そんな簡単な話じゃないんだよ!」

 

そう言いたくなるようなことの全てに届いて欲しい。

 

この、『出会い系サイトで70人と実際に会ってその人に合いそうな本をすすめまくった1年間のこと』という一冊の、この文章が。

 

いや、こっちはすごいことを言ってるんだよ、今。そんな軽い感じじゃなくてさ、ヴィレッジは私の人生なんだ、他の人が2〜3年働いたテキトーな会社を辞めたいって言ってる話とはワケが違うんだよ、と思ったけど、いや、他人からしてみればそれくらいのことなのに、なんで私はこんなにしがみついているんだろう、と思った。