あの島に移り住むまで

〜「好きな本から」を書きたくてはじめたけどいろいろ書いちゃってるブログです〜

人は本当に怒らせると本当にこわい

  

思えば私は、軽蔑する目を他人にさせてしまうような人間だったなと思う。そんなことをここは、おしまいの地を読みながら思った。こう書かれている。

 

ここは、おしまいの地

 

私は中学に入って間もなく、同じクラスの100キロ以上ある金髪のヤンキーに「付き合おうぜ」と言われた。「帰ろうぜ」みたいなノリだった。相手は冗談で言ったのかもしれないが、私は本気と冗談の区別があまりつかない人間だったので、その言葉の通り付き合うことになった。

 

 

私も中学生の頃、一人だけ付き合った人がいる。同じクラスの村田くんという男の子だった。彼と付き合ったことは割とすぐ学校中の噂としてまわった。そして10人以上から聞かれることになる。「なんで付き合ったん?」と。なんと、山ほどの女の子に告白しまくってたら叱った。彼はただ、「彼女」が欲しかったのだと思う。私はそれにまんまと引っかかったのだ。私としてもそれでよかった。だって、村田くんの友達(彼女がいる)が好きだったのだから。

 

なんとなく付き合いだした過去を、“こだまさん(本の著者)”のエッセイを読みながら思い出した。

 

「なんで付き合ったん?」と何度も聞かれた。それには「なんで片っ端から告白してる男と付き合ったのか?」が含まれている。その質問に答えたことはなかった。「わからん」とただそれだけ答えた。「ああ、それはね。村田くんと仲がいい、木田くんが好きだからだよ」なんて言えるわけがないのだ。

 

付き合えば、木田くんと「村田くんの彼女」として理由なく放課後会える。村田くんを困らせれば理由なく連絡がくる。そういうことがわかっていた。嫌な女だ。

 

でも、だから、付き合った。

 

数ヶ月の交際期間だったし、付き合ったカウントに入らない恋愛だった。多分、相手もそうだろうと思う。だって、一緒に帰ったこともなければ、手を繋いだこともなかった。家に行ったことも家に来たこともない。ただ、毎日メールだけして、2回プレゼントをもらった。「付き合ってください」「はい」と「別れよう」「はい」の間に3ヶ月くらいあった。ただ、それだけだ。

 

私も村田くんもきっと「付き合った数」に入れてない。

 

“彼も入れてない”と思っているのには、ちゃんと理由がある。別れてから、中学を卒業するまで、彼は私を睨み続けた。あれはもう憎んでいるという目だった(笑)親の仇!くらいの形相でみる彼の姿を思い出すと、やっぱりカウントに入っていないだろうと思う。それでいい。

中学を卒業し会うこともなくなった彼とその後1度だけ会ったことがある。成人式。変わらず私を睨んでいた。それはもう軽蔑しきったような目だった。

 

何年経っても変わらないのだと思った。

 

そして、そのまま中学の記憶として思い出すことがある。同級生でもう一人、私のことを同じような目で睨み続けた人がいた。丘原さんという女の子だ。

私が「誰にも言わないで」と相談されたことを、ものの3秒で、同じグループの友達に「誰にも言わないで」と話してしまったのだ。それを、窓を挟んでベランダにいた三人組に聞かれてしまい、しっかり報告されてしまった。

 

間違いなく私が悪い(笑)

 

ものすごい勢いで責められ、「ごめん」と謝った後、一言も話すことは無くなった。そして、卒業するまで、私の目に入る丘原さんは、軽蔑しきった目で私を睨み続けた。まるで鬼のお面みたいだった。なぜだか、たまに地元で顔を合わせる。会いたくない人ばかり会うようにできてる地元の駅。丘原さんは、私に気づいた瞬間、ちゃんとまだ目を曇らせる。シャッターを下ろすように目の色が変わる。約10年ほど経っても、変わらない姿に、少し笑ってしまいそうになる。

 

「ああ、まだなんだ」と。「まあ、そりゃそうか。」と歩いて帰る。

 

思えば、二人とも同じ色の目だった。

 

軽蔑して、怒って、恨んで、蔑んだ目。

 

私は、そういう目を他人にさせてしまう素質があったのかもしれない。

 

というわけで私は中学生で学びを得た。

 

「口が堅い人」と「口が軽い人」というのを自分自身で知った。

 

本人がいないところで人の話をするのはよくないということ。「誰にも言わないで」と言われたことは、誰にも言わないでおくが「吉」だということ。人は本当に怒らせるとこわいってこと。人のプライドを傷つけると本当にこわいということ。一度つけてしまった火は中々消えて無くなることはないということ。謝ったって、後悔したって、なかったことにはできないということ。

 

当たり前だけれど、当たり前のことを、その頃に本当の意味で学んだ。

 

信頼を失うというのは、人を怒らせるというのは、人をこれまでこわくさせることだということを、あの蔑むような4つの目から学んだ。

 

人は本当に怒ると本当にこわい。

人を本当に怒らせると本当にこわい。

 

 

 

本当にこわいよ。気をつけて。