あの島に移り住むまで

〜「好きな本から」を書きたくてはじめたけどいろいろ書いちゃってるブログです〜

見れば見るほどブス

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「お前って見れば見るほどブスやな」

 

小学6年生、人生で一番最初に「ブス」という言葉を言い放った男が「いいかも」を押してきた。これはもう事件だ。やっとのことで重い腰をあげて登録したマッチングアプリで「いいかも」を押してきたのだ。ヤツは。分かっていてか、分からずか。きっと“絶対”分かっている。

 

「お前もやってるんか!」

 

そうメッセージのやりとりでもしたかったのだろうか。そうだとしたら宇宙一大馬鹿者だと思う。まず一つ、大きく悔しいと思うのは私も少しだけそうしてやろうかと考えたことだ。全くと言って許せてないのに、自分からヤツを許す環境を用意してしまいそうになったこと。悔しい。

 

いつだったか、

 

「好きだったんだよ」

「なつが可愛いからからかってたんだよ」

 

そう言われたことがある。随分と大人になってこの頃の苦い記憶を人に話してみたときのこと。

 

みんなわかっていない。

目を見て言われる言葉の衝撃、みんなの前で言われる言葉の衝撃。不意に撃たれた傷は消えない。傷跡はいつまでも消えない。いつまでも消えない傷跡を鏡を通してみるたびにまた思い出すのだ。あの時間の感覚を。悲しくて悔しくてたまらない時間を。美容院に行ってウキウキしても、メイクが上手くいってワクワクしても、好きな人に可愛いと言われてドキドキしても、ふとヤツの一言を思い出して振り出しに戻る。ついでに見た目でコソコソと笑われた高校生活まで思い出しちゃったりする。いつだって自分のことを「可愛い」と思える自信を持った自分と、「私なんて」と自信の持ちきれない自分を飼いながら生きている。

 

そういう問題だってこと。

 

ヤツは大好きなサッカーをキラキラした目でやってる姿をプロフィールに載せちゃえるような人生なのに。からかい半分で「いいかも」を押してきちゃえるくらいの人生なのに。

 

覚えていない。この世にいる「ヤツ」たちはみんなきっと覚えていない。

 

『多分そいつ、今ごろパフェとか食ってるよ』という本が出版されちゃうくらいに。

 

覚えていない。人は人にしたことを覚えてはいない。きっと思い出すこともないのだと思う。傷ついた人は、傷つけられた人は、いつまでも忘れられないでいるのに。ヤツらは「ごめんごめん」くらいに思ってる。「ごめん」と言えば済むと思ってる。会わなければ問題ないと思ってる。それくらいなのに傷ついている。跡が残るくらい。消えないくらい。

 

どれほど傷ついていても馬鹿でしかない。

 

そんなことは心の底から理解していても、それをそうすることはとても難しい。

 

だから定期的にこう思うようにする。「私の楽しいを楽しく生きていくしかない」って。

 

私の「楽しい」を、私の「楽しい毎日」を、「満たされながら」生きていることが最大の攻撃。SNSに書きたくなるようなものじゃなくて。誰かに見せようと思う思考すら浮かばないくらいの「楽しい」を過ごしていく。

 

できるだけ。できるだけ。

 

そうしかない。

 

そう改めて思った。

 

やっぱりマッチングアプリなんてやめちゃおう。