あの島に移り住むまで

〜「好きな本から」を書きたくてはじめたけどいろいろ書いちゃってるブログです〜

本から思う「想像してなかった日々とマスク」

 

気がつけば、マスクでの生活は当たり前になった。

街の常識は「外出時には必ずマスクをすること」になったし、「そうじゃない人」にはとても厳しく変化してきた。これは“今”マナーである。誰か一人、たった一人なら、「大丈夫」とはいかないコロナウイルスと生きている時代。嫌だからとか、面倒だからとか、みんなしてなければ意味がないからとか、身近にいないから実感がないとか、そんな屁理屈を理屈っぽく言っている場合ではない事態。どの考えが正論か、正論はどこにあるか、そんなことを考える前に、できることはするべきだと理解し合えていたいし、協力していきたい。年代に関係なく、そうでありたい。それが、危険と隣り合わせで生活してくれている医療従事者の方々への感謝を忘れないためでもあると私は思う。誰かがやってないからとか、自分はやっているのにとか、そんなこと考えても、ほとんど意味はない。自分のできることをしておけたらいい。事情があって「マスク」できない人もいるかもしれない。人が、周りが、世界が、どうだからではなく、自分のできることをしておけたらいいのだと思う。人は人を変えることは難しい。だからこそ、自分ができることをしておけばいい

 

だけど、不便なマスク生活。慣れないマスク生活。街は「マスクを早く取って生活したい人」で溢れている。気持ちは分からなくもない。ただもう少し、もう少しだけ、頑張ろう。もう数年、頑張ってみよう。マスクで少しだけでもリスクを下げられるのなら、意味は十分あるのだから。みんな同じ時間を生きている。頑張ろう。もう少し。できる人ができることを。

 

そうやって、街を見て、世界を見て、言い聞かせている。人を見て、自分を見て、自分自身に「自分ができることを」、そう、言い聞かせている。

 

「マスク」といえば、最近は、コロナウイルス以前に出版された「本」から今の世界と今までの世界を実感することがある。

 

「こんな日々を想像してなかった」

 

そんな景色を本から感じる。

 

例えば、最近読んだ女王さまの夜食カフェ - マカン・マラン ふたたび

 

女王さまの夜食カフェ - マカン・マラン ふたたび

急行を待つ人の列に並びながら、真奈はジャケットのポケットから取り出したマスクで顔を覆う。見れば、老若男女にかかわらず、周囲のほとんどの人たちがマスクをつけている。

 

 

インフルエンザ対策で、電車の中はマスクをつけた人で溢れているという話だった。マスクを顔で覆っているほうが「不自然」だった頃の感覚。それでも健康のために、電車の中はマスクで顔を覆いかぶした人だらけな、その頃には少し不思議だった景色。なのに、今は当たり前の景色。

 

電車に乗る前につけていたマスク。

 

これまで「冬」につけるマスクの使い方は私もそうだった。人の多い場所でマスクを鞄から取り出す。だけど今は違う。マスクを長時間外したり、マスクを必要以上にずらしていたり、そうするほうが「不自然」に感じるようになった。この本が出版されたころ、今の世界を誰も想像していなかっただろうなと思う。誰も想像もできなかっただろうなと。そう思いながら、この文章を読む。そういう本に最近よく出会う。

 

そんな中で、思い出した。

  

ついこの間読んだ、マスク依存症の女の子のことが描かれた物語夜が明けたら、いちばんに君に会いにいくのことを。

 

夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく

夜が明けたら、いちばんに君に会いにいく

  • 作者:汐見夏衛
  • 発売日: 2017/06/01
  • メディア: 単行本
 

 

これまでなら『マスク依存症』は大きな問題だった。素顔を出せない。自分の奥底に自分を閉じ込めてしまう。SNSの時代に増えてしまったこの問題は、これまでならとても大きな問題だったはず。だからこそ、書かれた物語。

 

だけど、今はそうじゃない。マスクは常にすべきもの。

 

そして、思う。

 

私自身が『マスク依存症』に近づいていること。

 

きっと、多いだろうと思う。私だけじゃないはず。

 

水を飲むために少しずらすマスクの時間も恥ずかしく感じている自分がいること。そう感じている自分に気づいて不安に思うこと。街の人たちが「マスク外せるようになりたい」と言っているのに共感できない自分がいること。

 

私だけではないはず、と思う。

 

これまではなかった常識が、今常識になっている「マスク」

 

想像もしてなかった「今」だけど、これまでとガラリと変わった「今」だから、思うことや考えることがたくさんある。

 

心地よく思う人も、心地わるく思う人もいる。

 

不便だし、面倒だし、窮屈だけど、便利でもある「マスク」

 

みんなが心地よく過ごせるように、できる限りで、おもい合えたらいいな、と、2冊の本の「マスク」から思った。

 

今日もマスク、明日もマスク、しばらくマスクで、頑張ろう!