先日「ホンマでっか!?TV」を見た。
今田耕司さんとアンガールズの田中さんがゲスト。「結婚」について、相談する回というのか、見定めらる回のようだった。まず、二人それぞれに10個の質問がされていった。例えば、「プロポーズはどんなふうにしたいか」や「理想の結婚相手に求めるものは?」など。交互に答えていく。その後、「どちらが、結婚できるのか?」というナレーションが入り、CMになった。
CMの間。食べ終わった食器を洗いながら思った。
「今田さんが難しそうだなあ」と。
アンガールズ田中さんの答えには何も思わなかった。今田さんの答えを聞きながら思ったことは、「『意外に求めるものはない』『押し付けたりもしない』『自然』ということを答えているけれど、そういう人に限って「譲れないもの」が多いんだよな」だった。そこまで、結婚に慎重になってきたのに、「特に何もない」なんて、そんなはずはないのだ。
「特にこだわりがない」と答える人ほど、譲れないこだわりが強いものだということ。こだわることは何もないようにみせて、譲れないものが多かったりすること。
私はそれを知っている。
なぜなら私自身が“そう”だったからだ。私の場合は、恋愛ではなく、アルバイトでそうだった。
例えば、シフト。
“週4以内希望”なのに、受かりやすいように
「いつでも入れます!週4〜5日入れます!」と面接を受ける。
働いてみるも週4希望なのに、週5勤務で辛くなって、限界がきてしまう。
あとは、交通面なんかでもあった。
面接事に少し気になったものの「いいか、それくらい」と思って働き始め、結局不便で辛くなってしまった、とか。
そうやって、やっと分かった。
「特になにもない」わけがない。「特にこだわりはない」わけもない。そういう人ほど、本当は譲れないものが多い。なら、譲れないものははっきりして探す必要がある。
そこから、曖昧にするのではなく、提示することが必要だと分かった。譲れないものは、無理に曖昧にする必要はない。まず相談する。そしてその反応を見る。あちらの採用したい条件と、こちらの働く上で譲れない希望が、うまく混ざり合うものか?その上で判断する。判断してもらう。働かせたいか、働きたいか。
「特にない」なんてことは、ほとんど存在しない。
本人が気づいてないか、本人が嘘をついている。もしくは、本当になにもない。
言葉だけを信じてはいけない。大体がそうだ。
自分自身がそうだったのだから、よくわかる。
「特にない」は危険!!
昨日、それを自分以外で感じた瞬間があった。面接(正社員募集)を受けにきた55歳の男性を覗きみしていた時のこと。作業しているキッチンの前のテーブルで行われていたからだ。「先月は私がそこに座って受けていたのにな」と思いながら姿をみていた。その方も「全部マル」だった。「なんでもいい」という人だった。
「ああ、見覚えあるぞ。この感じ」
心の声はこうだった。おじさんのその後のことはバイトの私にはわからないけど、危ない匂いがした。
私は「都合いい」は賭けなのだと思う。
あたりか、ハズレか。それは、見てみなければわからない。開けてみなければ。
本当にこだわりが「特にない」人か、本当はこだわりが「ある」人か。
果たして私は、あたりだったのか、ハズレだったのか。どう思われてるのだろう。私としては、譲れないところを了解してもらえているので、働きやすく、とてもありがたく思っている。だからもう少し、もうしばらくは、ここで頑張りたい。
話は少し戻って、「特にない」はない。
「特にない」風の人ほど、本当はあるものだ。
本当はあるから、乗りたいはずの波に、うまく乗れてないのだから。
それに気づくことが、乗りたい波に乗る一歩なのかもしれない。
譲れないものが多くても、理想が高くてもいいじゃない。こだわりを聞いて、周りが引いたって、それが本心なのだったら、正直である方が大事なことだと私は思う。都合よく見えるために、諦めたり、妥協したり、しなくていい。だんだんとそのこだわりが丸くなる可能性だってあるし、その譲れないものをパーにしてもいいと思えることだってあるかもしれないのだから。
年齢とか、環境とか、妥協しなければいけない理由を考えることは簡単だけど、そんなこと言わせておけばいいし、思わせとけばいいのだ。
今田耕司さんを見て、過去の自分が重なって、55歳のおじさんを思い出して、、、
『特にない』は要注意!
そう思った。そんな話。