あの島に移り住むまで

〜「好きな本から」を書きたくてはじめたけどいろいろ書いちゃってるブログです〜

漬物ノースリーブ

 

はじめての日雇いアルバイトを終え、そこで得た情報からすぐに別の派遣会社に登録しに行くことにした。

 

okadanatsu.hatenablog.com

 

そうして、登録した後、早速仕事を紹介される。

 

「漬物の箱詰め」だった。

 

とにかく、仕事内容と場所、時間と給料を説明され、次の日の朝向かった。暑い夏の日、ノースリーブで行った。「工場」としか把握してなかったことと、前回は外での仕事だったことで、薄着に決めた。派遣会社からも服装などはなにも指定されなかった。

 

着いた先で最初に見えたのは、同世代の子達が止められている景色。

 

「爪を剥がしてもらわないと勤務できない」

「爪を切ってもらわないと勤務できない」

 

見えた範囲だけで、十人はいた。数名は「じゃあ帰る」と言って帰っていったのを覚えている。

 

私が入ってすぐ言われたことは、

 

「その格好!!?上着とかは??」

 

(。。。ええ!??上着??なんで!!)

 

そう思った瞬間、「まあ、仕方ない」そう案内され着替え始めることに。そんなこんなで、気づけばなんと宇宙飛行士になっていた。宇宙飛行士のような服を着せられ目だけしか見えない姿に。冷凍室での作業だった。防寒具。衛生服。考えてみれば、「冷凍室」での作業なんて、食品の工場なのだから当たり前だったのかもしれない。

 

当時の私は「工場」しか見えてなかったこと「寒い場所での作業」とは聞いていなかったこと、確認不足の知識不足が重なって、ノースリーブで行ってしまった。いくら宇宙服を来てるとはいえ、寒すぎる。本当に地獄のような寒さだった。過ぎて行く時間があまりにもゆっく理に思えて、地獄のようなアルバイトだった。

 

どうにか、終わるまで誤魔化さなければいけない、この地獄の時間を。

 

そこで考えついたのは「歌う」だった。

 

「よし、もう一生会うこともない!!周りの音も聞こえないし!!歌えばいいや!!」

 

そんなわけで、寒さを誤魔化すため歌を歌いながら作業をすることにした。流れてくる箱に漬物を詰め込んでいく。それを8時間。見えているのは、目だけ。1日しか働かない。明日にはもう、みんな知らない人。1日くらい歌って作業するおかしな人がいたって、忘れくれるはず!!そう思って、歌った。とにかく好きな歌を思いつくままに。隣にきた人、前にきた人が、みんな顔をあげて、こちらをみてきたので、もしかしたらかなり聞こえていたのかもしれない。

 

いいのだ。仕事は流れからはみでずにちゃんとできていたのだから。

 

時間は地獄だった。けど、天国もあった。なんと、そこで一人「友達」ができたから。私が歌を歌いながら作業をしているレーンに一人、私と同じくらい変な人がいた。宇宙服を着ていてもわかる濃いアイメイクで、不思議にちょこまかと動き回り、一生懸命働いている。その女の人はなんと同じ歳くらいの金髪のお姉ちゃん。休憩で一旦脱ぐ宇宙服の中にその金髪のお姉ちゃんが見えた。冷凍室で見た姿とのギャップに打たれ、お昼休憩のとき声をかけてみることにした。

 

2つ年上の“あやちゃん”だ。

 

話を聞くと、東京から彼氏に会いにきているらしかった。「月の半分を彼氏に関西で過ごしてるから、こうしてこっちでも働いているんだ」と言ってた。彼氏は美容師。あやちゃんは東京ではエクステの仕事をしているらしい。

 

そんなご縁から、3回ほど遊んだ。

 

とても楽しい経験だった。とてもいい人だった。彼氏が東京に移転になったらしく、会わなくなってしまったけれど、私はとても好きだった。あやちゃんのことが。

 

元気かなあ。元気にしてくれているといいなと思う。

  

1日しか働かない「日雇いバイト」でも友達はできる。

1日しか働かない「日雇いバイト」でもご縁はある。

 

おかしなエピソードが“1日だけだからこそ”あったりするのかもしれない。

 

今思えば、「日雇いアルバイト」って本当に面白い経験だった。

 

この次は「コンビニ弁当を作る工場」のアルバイト経験について書こうかなあ。

 

あの日も面白かったから。

 

漬物工場とノースリーブと、あやちゃんの話。