あの島に移り住むまで

〜「好きな本から」を書きたくてはじめたけどいろいろ書いちゃってるブログです〜

別れた彼は世界で一番遠いひと

 

「彼氏って、別れたら一番遠い人になるじゃないですか」

  

6つ年下の先輩はそう言った。自称隠れビッチらしい先輩は、「好きじゃなくなった」と言ったり「好きだ」と言ってきたりする彼氏に頭を抱えているらしい。別れたくても別れられない理由はやっぱり“好きだから”で、会ったら「好き」って思ってしまうから。そして、会ったら「好きだよ」と言われるから。期待したり落とされたりなのだと。それでも、別れてしまったら一番遠い人間になってしまうのが寂しくて、こちらから別れたいとは言えないのだと。全て見せて一番近かったはずの彼が別れれば簡単に一番遠い存在になる。それはやっぱり寂しいのだと話してた。

 

すごいエモい。すごいエモいこと言っている。...........かもしれない。

 

だけど私には、「ナニソレ」と思ってしまうような話で、正直小馬鹿にしてた。大人気なく小馬鹿にしてた。

 

「一番遠い人間にするために別れるんでしょうが」

 

正直、そう思った。なんて可愛くないのだろう(笑)そんな可愛い感情しばらく持ってなかったもんだから、卑屈になっていたのかもしれない。

 

なんとなく心に引っかかり続けた話だった。

 

「別れたらいちばん遠くなる」

 

腑に落ちたのは2週間ほど経ってから。

 

夜8時くらいに30分の散歩に出かけた日だった。冷たい風の中歩きたくなって、散歩しながら考えた。

 

......別れたらいちばん遠くなる.......別れたらいちばん遠くなる........別れたらいちばん遠くなる......

 

(いやね、好きやった人は私にもいたよ)

 

そう先輩に話す自分を想像する。

 

(馬鹿みたいに好きやった人。でもそんなの今はもう“大っ嫌い”よ)

 

連絡先も完全に消した。思い出しそうなものは全て捨てた。なかったことにはできなくても、なかったことのように片付ける。馬鹿みたいに好きだった人や馬鹿みたいに私だけが好きだった人も、時間を経て大嫌いになった。周りの人から名前が“お互い”にあがることもないように綺麗に距離を取る。思い出すことのないように、繋がることがないように、できるだけのことをする。

 

世界で一番好きだった人。自分の大事なものを手放してもいいくらい好きだった人。今は世界で一番嫌いな人。世界でいちばん遠い人。

 

「別れたらいちばん遠い人」

 

そうかもしれない。

 

確かにそうなのかもしれない。確かに「彼氏彼女」ってそういうものなのかもしれない。

 

ようやくそう思った。

 

(ああ、先輩。確かにそうでした)

 

頭に浮かんでる先輩の姿にそう伝える。

 

ちなみに、彼女はほどよく遊んでいる。だから余裕がある。「別れたら遠い人になるのが寂しい」なんて言いながら、ちゃっかり“余裕”もある。だから、そんな言葉が言える。そんな言葉を思える。彼氏に振り回されてる女風に見せかけて、めちゃくちゃ女を楽しんでいるかっこいい人。「好き」と言われたり「好きじゃない」と言われたりして振り回されているよりも多くちゃっかり他の所でも心を動かしている。

 

「この人かっこいい、好きかも!!」

「この人、私のこと好きだな。いいかも!」

「ねえ、どう思います??」と。

 

いつも忙しい。そして、だから、可愛い。

 

イケメンはどこ!!優しい人はどこ!!

 

前に前に恋愛という道をドシドシ歩いていく姿は逞しいく私には眩しい。とてもかっこいい。私には見つけられなかった言葉。同級生だったら上手に受け入れてあげられなかったかもしれないような話も、6つも下なら「可愛いな」と思う。「馬鹿だなあ」と。次から次へ世界が動いているその若さに「面白いな」と思いながら耳を傾ける。

 

 

「彼氏って家族以上に近い存在になるのに、
別れたら世界で一番遠い存在になるじゃないですか」

 

 

ごめんなさい、先輩。

 

私一瞬だけね、「馬鹿じゃない?」と思ってしまいました。

 

だけど、考えたら確かにそうでした。そうだと気づきました。とっても新鮮な視点でした。

 

とっても勉強になりました。 

  

私はあなたの生き方がすごく好きです。

 

しばらく会えていないし会えそうにないけれど、次に会える日を心待ちにしながら幸せを祈っています。

 

先輩に。

 

幸あれ!!