あの島に移り住むまで

〜「好きな本から」を書きたくてはじめたけどいろいろ書いちゃってるブログです〜

泡を食べる「おかしなカプチーノの飲み方」

 

18歳の夏、カプチーノの泡を砂糖で食べる」というコーヒーの飲み方を教わった。

 

どういうことかといえば、まずカプチーノの白いミルク泡のところに砂糖をささっと振りかけ、その泡をティースプーンで食べる。ただ、それだけ。そんな飲み方を、学生アルバイトの先輩に教わったのだった。

 

「これが美味しい飲み方ですよ」

 

確かに美味しかった。考えてみれば、そりゃそうだ。甘いミルクなのだから。

 

純粋だった18歳の私はしばらく続けた。砂糖をいらなく思うようになるまで。それが美味しい飲み方だと信じて。

 

今になって思う。

 

なんて馬鹿みたいな思い出なんだろう。ただ、砂糖を食べるための方法。ただ、カプチーノのミルクの泡部分を甘くして食べるだけの飲み方。それを、馬鹿なことしてるとわかっていながら教え、教わり、楽しんだあの時間。すごく温かい。すごく温かくかわいい思い出だなあと思う。

 

カプチーノを飲むたびにその記憶を思い出すし、誰かと一緒にいたら必ず言ってしまう。

 

カプチーノってな、泡に砂糖をかけて食べんねんで」って。

 

あの先輩は今どこでどうしてるだろうか。元気だったら嬉しい。

 

あともう一人、そのカプチーノを毎朝入れてくれたバリスタの山口さんも元気でいてくださったら嬉しいなと思う。5時半の電車に乗り出勤してくる私の夢を応援してくださった山口さん。

 

「何かのむ?水?コーヒー?お茶(多分紅茶)?」

 

と聞いてくれた山口さん。その答えがまさか「水」だとは想像してなかった山口さんの顔は今も忘れてません。

 

「じゃあ、水。」

 

そう答えた私を目を見開いて見たあの表情の動き。

 

「水!??」

 

まずい!!と思って、咄嗟に

 

「あ、コーヒーで!!」

 

と答え直したけれど、あの時まだコーヒー飲めませんでした。コーヒーなんて飲めるモノじゃないと思ってたし、コーヒーなんて人が呑むモノじゃない!!って思ってた。だけど、イメージしていた「コーヒー」ではなくて、甘くて可愛くラテアートされた「カプチーノ」を出してくれたおかげさまで、コーヒー好きになりました。今は、ブラックコーヒーが大好きです。

 

「コーヒー飲む?」

 

と、かわいいラテアートのカプチーノを毎朝入れてくれた山口さん。

 

「美味しい飲み方やで」

 

とたまに一緒に入ると、砂糖とスプーンを渡してくれた学生アルバイトだったキッチンの先輩。

 

「美味しいカプチーノ」と「おかしなカプチーノの飲み方」を知ったカフェのアルバイト。フリーターとして働き出した1つ目のアルバイトで、初めての飲食店、初めのキッチン業務。とても楽しかった。ほとんどの人が優しくて、明るくて、元気で、丁寧で、毎日面白かったあの環境は、フリーターとして最高のスタートだったと思います。

 

あの頃お世話になった皆様、ありがとうございました。

 

みなさんが“今”幸せでありますように。心から、本当に、願っています。

 

今の職場に最近入ってきた18歳女の子を眺めながら思い出した

 

18歳の夏に教わった「おかしなカプチーノの飲み方」