書いて、書いて、眠りたい。

なにもない何者でもない私のみる世界を「ぜんぶ書く」で毎日21時に更新しています✏︎

行李いっぱい書き溜めてスタートする

 

江國香織さんの書く文章が好きだ。

最近読んだのは『物語のなかとそと (朝日文庫)』という本で、この本はまた私の中の「好き」という感情が溢れ出されていくような本だったなと思う。これを読んだことで伝えたくなったことは、「中学生か高校生の自分に読ませてあげたかったな」ということ。周りと自分と、自分と周りと、そういう大きなモヤに悩んでいた心に読ませてあげられたらよかったのになあ、、、と思うような本だった。自分の持つ強い個性に悩まされているような心にも、自分の個性を認めてあげられなくて悩むような心にも、夢や目標のなさに不安になるような心にも、「大丈夫だよ」と言ってくれる生き方の目。社会と自分と、世界と自分と、「こうやって『目』を持っていればきっと大丈夫だからね」と言いかけてくださってるような言葉の本だった。

 

たくさんメモを取ったし、たくさん線を引いた。付箋もたくさん貼った。

 

その中でも、「書く」ということに対して印象を受けたページがあった。そこにはこう書かれている。

 

 

物語のなかとそと (朝日文庫)

 

寂聴さんに、「書くって、片手間にできることではないのよ」と言われた。「行李いっぱい書き溜めてスタートしなさい」とも。

 

 

これは、「書く」ことに対して緩みを持ち始めていた江國さんがある席でご一緒した寂聴さんに言われた言葉らしいかった。そこから「書く」ことに覚悟を持ったと。

 

すぐに付箋を貼った。

 

すごく素敵な言葉だなあと思った。

 

「書くって、片手間にできることではないのよ」

 

すごくパワーを持った言葉だなあと思う。

 

なぜなら、テレビでみたことがあったから。寂聴さんが苦しみながら執筆されている姿を。いつだったか見たことがあった。体調が悪くても、イライラする日でも、人に当たってしまうような自分になっても、書きたいから、書くことが好きだから、書きたかった自分がいたから、筆をとって書く。そんな方が吐いた言葉。そんな方から生まれた言葉。「なんてパワーストーンのような言葉なんだろう」と思った。

 

そして、その後。その後に続けられる、

 

行李いっぱい書き溜めてスタートしなさい」

 

この言葉は印象が強く残った。

そして、少しだけ書くことが楽しくなった。

 

書けない、、、

 

書けない、、、

 

書けない!!!!

 

ではなく、書くようになったから。それでも書く。とにかく書く。書いてみる。めちゃくちゃでもいいから、とりあえず書く。使えなくても、読めなくても、意味がわからないような文章でもいい。とりあえず、大きく、ゆっくり、やんわり、大きく。ふんわり大きく、ざっくばらんに、大雑把に。

 

とにかく書く。とりあえず書く。

 

そうして直す。そうしてから直す。

 

直して、整えて、置き換えて、書き換えて、濁して、光らせて。

 

そうやって書く。

 

そう書くことを意識するようになって、「楽しい」が増えた。それでもまだまだ難しいでいっぱいだけれど、書くことに、書いていることに、「楽しい」という感覚が確実に増えた。

   

もしかしたらこの本の言葉は、本を書くような時に大事にするべきことで、ブログを書いている私には関係ないような言葉だったのかもしれない。けれど、そんな私にも大きな言葉となった。たかがブログ。されどブログ。毎日書いている大事なブログ。

 

 

「書くって、片手間にできることではないのよ」

 

「行李いっぱい書き溜めてスタートしなさい」

 

 

この言葉はとても温かった。 

   

それでもやっぱり難しいし、それすらも難しいけれど、「楽しい」を増やしてくれた言葉。作家さんの目、作家さんの熱量、作家さんの「書く」。

 

 書くプロへ向けられた「書く」ということ。

   

ブログを書いているすべての方に触れてみてほしい

 

そんなページ、そんな言葉、そんな本

 

 

📖『物語のなかとそと』 

物語のなかとそと (朝日文庫)

物語のなかとそと (朝日文庫)

  • 作者:江國 香織
  • 発売日: 2021/03/05
  • メディア: 文庫